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勝手にしやがれHeyしすたー

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タイラーという男


タイラーという男




   原作(無責任艦長タイラー)の方は読んだことないので、今更なのかどうか分かり
   ませんが、(少なくともアニメの方は)今更、「タイラー」の話です。


   真下監督を、我が神と崇めている私ですが、その割りにまだ観てない真下アニメが
   けっこうあるという・・・。
   (それってファン?という、ツッコミをするあなたはすらりんですね)

   ウラシマンの後、真下さんが病気療養中という話をアニメ雑誌で読んで、しばらく
   出てこない時期もあって、アニメから離れちゃったんだよねー。


   タイラーは93年にテレビでやってたらしいから、ちょうど私は大学生。

   この時期は、香港映画と傷天にどっぷりはまりこんでて、テレビアニメは一本も観て
   おらず、タイラーの存在自体知らなかったのです。

   その後、卒業して、アトリエ通いして、結婚して・・・、ずっとアニメから離れていた
   のですが、すらりんの友達にアニメ博士がいたことから、真下さんがばりばりアニメ
   作っていたことを知ると・・・。


   んなわけで、「F〈エフ〉」辺りから、「ノワール」までの間が、ぽっかり抜け落ち
   てるというわけ。

   あ、でもこっち引っ越してきてからは、テレ東もうつらないから、観てないのいっぱい
   なんだけどね。

   話がちょっとずれましたが、タイラーの存在を知ってから、ずーっと観たくて、最近
   ようやっとDVDボックスを買って、観れたわけなのです♪


   いやーーー楽しかった♪♪

   最近の真下アニメより、ノリがウラシマンに近いのよ。
   (最近のは最近ので、好きなんだけどね)

   まあ舞台が宇宙であることが多いといっても、地球のシーンだってあるわけで、近未来
   の街の様子(ダサくって、またそのダサいところがいいんだよ)が、ウラシマン辺りと
   同じタツノコアニメってのもあるんだろうけど。

   あとは時代かなぁ。
   昔の、80・90年代のアニメの未来って、今見ると、変な方向に進んでておかしいん
   だよね。

   エアカーどころか、宇宙船は飛んでても、電話ボックスがあるという。
   戦艦そよかぜのタイラーのお部屋にも、おコタとかあったような。


   で、タイラーという主人公、最初ぱっと見た時、デザイン的にはふつーの顔で、そんなに
   好きになるなんてあんまり思わなかったんだけど、かなーりやられてしまいました。

   まー題名が「無責任艦長」とうたってるだけあって、タイラーの性格を一言で言えば、
   「無責任」てことになるのだろうけど、(で、まぁ実際そうなんだけど)それだけでない
   深さがあるんだよね。


   第一話、タイラーが軍に入隊志願するところから物語が始まるんだけど、志願理由は
   飯も食えるし、後(老後)の保障があるからってことで、最初の印象は、いいかげんで
   なんも考えてないと。

   あと、面接を担当するのが、なんちゅうかコンピューターの(中に入ってるという
   言い方でええんかいな?)、メガネかけた理知的美人お姉さんで、このお姉さんを、
   褒め称えて調子に乗ってるうちに、いじりまくり。

   変な形のメカかぶった、タイラーのいじる手付きが、なんつうかもう、いやらしすぎ。

   さすが真下さんがコンテ切ってるだけあるよ。

   と、いうか、タイラーがやってたの6時半とか7時とか、そんなもんだったと思うんだ
   けど、良かったんでしょうかねぇ。


   なんかこの初回の印象と、その後、いろんな女性に礼儀とばかりにコナかける態度で、
   タイラーはどスケベーなキャラと思ったんだけど、回重ねるごとにそうでもないんだ
   よね。

   いざ、キム姉さんとかハナー姉妹とか(アンドロイドの看護婦さんの)ハルミさんに
   迫られると、気付いてないのか、とんちんかんな反応するし。
   その気がないから、わざとそんな対応してるようにも見えたり見えなかったり。
   単純に鈍いだけにも見えたり。

   で、この次々に、女性キャラたちに、迫られる回に、海兵隊のお兄さんたち(また彼ら
   がいかにも真下キャラっぽくてうれしい)が、タイラーにエッチなビデオを貸してくれ
   るんだけど、どスケベーに見えてたタイラーが、「せっかく貸してくれたんだから、
   見ようか・・・」という、あっさりした反応で、好き物なんだか、ストイックなんだか
   結局よく分かんない。


    うーーん本とのとこどうなんでしょ。


   ↑に書いた、アンドロイドの看護婦さんハルミさんというキャラは、実は敵のスパイ
   で、途中でスパイであることが、タイラーにばれちゃって、自殺しようとするんだけど、
   タイラーはそんな彼女を、「黙っておくから」「ハルミさんはハルミさんでしょ」と、
   助ける。

   一乗組員ならともかく、艦長がそれじゃまずいよ・・・どころの話じゃなく、今まで
   のことは黙っておくから、だけでなく、その後の彼女のスパイ活動さえ容認するの
   だから、タイラー無茶に懐深い。

   却ってそのことが偶然、功を奏することもあったような気がするけど、それさえ狙って
   やったように見えたりもして。


   タイラー14話「やさしさの方程式」というお話で、この時のそよかぜは、戦いで全艦
   ぼろぼろ。

   修理中の時、タイラーが授勲のために、ハルミさんとともにシャトルでお出かけ。

   ちょうどその時に敵艦が接近。

   そよかぜは、タイラーの指示で、シャトルも含め、すべての動力OFFで隠れることに。

   でも艦は良くても、シャトルはあっという間に空気がなくなっちゃう。


   意識が朦朧となろうとも、そよかぜを守るため、動力を入れる指示を出さない
   タイラー。
   (まあ通信入れるには、動力入れなきゃだめだけど)

   そして、ハルミさんがアンドロイドということを知らない(スパイとは知ってても)
   タイラーは、彼女には逃げるように言う。
   ってことは、自分は敵に捕まっちゃうってことだけど。

   そよかぜの乗組員、そしてハルミさんを助ける、漢の行動をとってるタイラー、
   でも、ものすごくあっさりしてるというか、さり気ないというか。

   で、酸欠の苦しみ方が、やけーに色気があって、一見色気とはまったく無縁に見える
   タイラーだから、どきっとしちゃうのよ。


   この話は結局、ヤマモト副艦長以下、クルー全員が、タイラーを助けるため捨て身の
   体当たりをかけるんだけど、その瞬間のタイミングといい、盛り上がりといい、
   かなーりかっこいいです。

   一番盛り上がるのは、終盤のドムとの戦い(結局戦わず、互いが艦の中で敬礼)
   かもしれないけど、私はこっちのがより好き。


   で、さっき色気の話をしたけれど、タイラーの顔立ちは、ほんっっとに色気とは
   無縁だと思うんだけど、ラブシーン・・・、終盤、ユリコさんとお酒飲みながら、
   彼女をを胸に抱き寄せて、さらっと一言、

   「・・・ドキドキしているのは、お酒のせいだけじゃないよ・・・」

   なんて言ったりのシーンでは、タイラーすごく色気あるのよね。

   うーんなぜだあああああ。


   秀逸なのはエンディング。

   ワイングラス持ってるタイラーがふらふら歩いてるだけなんだけど、その表情が
   おもしろいほど、びみょーーーに変わるっていうのかなぁ。

   崩れる限界、ぎりぎりの線まで動くのよ。

   今のアニメ、絵は綺麗になっても、こういう動かし方はもう出来ないんだろうなぁ。



    (06・09・13)


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